冬瓜書房 
同人誌編集者のつぶやき

ぱらひり・らひり・じゅんぱらひり

2015/12/15(火)
初めてその友人の家に
行ったとき

部屋の壁に
明らかに
有名人ではない(少なくともここ日本では)
外国人が書いたとおぼしき
直筆のサインが貼ってあった。

「これは誰のサインなの?」
と聞くと
彼女が
「リチャード・ドーキンスっていう…」
と語り始めた。

聞いたこともないけど
どうしたことか
なにやら
私の好奇心をざわざわと掻き立てる
カタカナの固有名詞に
どきどきどきと胸が高鳴った。

「…『利己的な遺伝子』って本を
書いた人のサイン」

と彼女が答え終わった時には

わぁこの人と友達になりたいと思った私は
大正解だった!と
思ったのだった。
そして心の中で
小さくガッツポーズしたのだった。

そして
最近読んだ
面白かった本についての話になり

私がロス博士の「人生は回る輪のように」に
非常に興奮したというと
彼女が
「ジュンパ・ラヒリの
『その名にちなんで』が面白いよ!」
とまたまた
私の聞いたこともない作者と題名を言った。

私はその
興味をそそる暗号に
さらに天にも昇る気持ちになって
「じ、じゅん・ぱらひり…?」

まるで外国語を初めて
教えてもらっている
出島で働く
赤ら顔の
お茶屋の田舎娘のように
カタコトで発音すると

彼女が「ジュンパさん」と
わかりやすく区切ってくれて
「ジュンパ・ラヒリ…」
と私の脳みそに
新しい
大切な言葉が刻まれたのを感じた。

『その名にちなんで』は
まだ読めていない。
でも「地獄/天国」という
ジュンパさんの短編は読んだ。

想像以上に
すこぶる私の肌に合い
おもしろかったので
私はやっぱり
ジュンパさんを勧めてくれるような
彼女が好きだと思った。

検索してみると
ジュンパさんは
こんなに面白い短編を書く上に
非常に美しい顔をしており
世界には
自分の知らない
天が二物を与えた人が
きっと惜しげもなく存在するのだろうと思うと
なんだかわくわくした。

今度彼女に会ったら
ミランダ・ジュライの
「あなたを選んでくれるもの」が
おもしろかったよと
伝えようと思う。

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